こんにちは。「Sketch」ブログ担当のライター、カジヤマシオリです。
「ディープで面白い」との口コミだけを頼りに歩いた、萩原商店街。
私の日常生活では見かけないような光景だったけど、シャッターが降りていて、どこか寂しい気分になって。
萩原駅へ戻る前、ぱっと目についた「家庭用品 後藤荒物店」に立ち寄ってみました。
ほんとうに荒物店だった。
ひいおばあちゃんの家で見かけたようなカゴ、100円均一みたいなコーナー、日用品。
そして、極めつけは「昭和レトロな商品」。お店の真ん中で、個性をばちばちと散らす。
どうやら、荒物店は「なんでも屋」って意味らしい。お店に立つ後藤さんに聞いたら、そう答えてくれました。
だから、昭和レトロな商品もアリなんです。昔ながらのお店が多い萩原商店街だから、こういう品ぞろえもしっくりくるような気が。
ひとつずつ商品を手に取っていくと、ぐいぐいと個性に引き込まれていく感覚。私の母親世代が親しんでいたもの、今はほとんど見かけないものなど、とても雑多な空間。
まっさきに萩原駅に戻らなくてよかった。戻っていたら、こんな出会いなかったもの。
後藤荒物店での昭和レトロな時間にほくほくして、ようやく商店街を引き返し、歩いて萩原駅へ向かいます。
街灯に明かりのついた商店街、ノスタルジックが昼間より3割増し。
もう一度歩いてみると、やはり車通りが多い。商店街なのに、人はほとんど歩いていない。
これが萩原商店街の現在なんだな、と少し寂しい気持ちを抱えつつ。
さっき、後藤さんに商店街のおすすめを聞いていたら、
「庭園喫茶 フレンド」という喫茶店が近くにあることを知りました。
後藤さんと話してたらすっかり日が落ちてしまったけど、最後に立ち寄ってみよう。
正確には、萩原商店街の中にあるんじゃなくて、少しはずれたところにある「庭園喫茶 フレンド」。萩原商店街の中にはないけど、こっちも昭和レトロな雰囲気が漂う。うーん、ディープそう。
17時過ぎの店内は、人もまばら。常連っぽいおじいちゃんが、入り口近くの席でずーっとスポーツ新聞を読んでる。
店員のお姉さまたちはみな集まって、テレビの大相撲中継を見ている。まったり、ゆったりとした光景。
赤い革張りのソファに腰をかけ、ホットコーヒーを飲みながら、小説「星の王子様」を読む。
主人公の王子様が惑星を渡り歩いて出会った、アクの強い人間たち。人間の本質ってそうだよな、とうなずきながら読み進める。
ここまでファンタジーなものではなかったけど、私の日常にはない光景ばかりで逆に新鮮だったような。
おまけのあられ菓子の歯ごたえを楽しみながら。
コーヒーを飲み終わった後には、あたたかい梅昆布茶のサービスも。
やっぱり一宮の喫茶店はいろいろ出てくるんだなあ、と妙に納得してしまいました。
「星の王子様」に集中していると、閉店時間の18:00はすぐにやって来た。
お姉さまたちに迷惑かけないよう、急ぎ足でお会計を済ませる。伝票に書いてあった「庭園喫茶 フレンド」の文字を見ながら、ひとつ気になっていたことを聞いてみた。
―なんで「庭園喫茶」なんですか?
お姉さま「ほら、ここに庭があるから」
と言われて窓の外を見たけど、日が落ちて何も見えず。でも、中庭のような場所がそこにはあるらしい。
お姉さま「今度は早く来て、庭も見てってくださいね」
庭園喫茶、というくらいなのだから、お客さんが心惹かれるようなかわいいお庭がそこにはあるのだろう。
どんな庭なのか、とても気になる!
「庭園喫茶 フレンド」の庭を見て帰れなかったこと…
これは、私がもう一度萩原商店街を訪れることとなる、一種の「前兆」「フラグ」みたいなものなのか…
はたして、「庭園喫茶 フレンド」の庭を見に行ける日が来るのか?
カジヤマシオリ、萩原商店街さんぽのリベンジ編にご期待ください。