こんにちは。「Sketch」ブログ担当のライター、カジヤマシオリです。

真清田神社やその周辺を訪れるたびに、【ウバ車】の文字がずっと気になっていた「伊藤ウバ車店」。

味のあるフォントは遠くからでも目につく

取材で近くを通るたびにずっと気になってたんですが、先日念願かない、お店を見せてもらうことができました。

前編につづき、みんなが気になる「伊藤ウバ車店」を紹介します。

伊藤ウバ車店《前編「Twitterでも話題の『ウバ車』」》

吹き抜けで2階も。このビル自体は5階建てで、もとは伝統的な工芸品店

ふと上を見てみると「ベビータンス お2階へどうぞ」の飾りとともに、クレーンが吊り下がっていました。

昔はこのクレーンでタンスの上げ下ろしを行っていたんです。

お年寄りが押している、椅子や荷物入れ替わりにもなるコレ。

店頭のショーケースにはシルバーカー。「伊藤ウバ車店」はもともと伝統的な工芸品店でしたが、今の主力商品は、こういった介護予防に関する商品です。

藤かご乳母車

商品について聞いていると「この写真を紹介してほしい」とお店の方から紹介が。

藤かご乳母車。建物の壁にも書いてあった「ウバ車」ですね。

フラットなカタチのカゴに大きな車輪。見た目よりも軽量で丈夫です。絶妙な重さで長く歩くことができます。

田園地域や保育園・幼稚園では今も活用されています。

中には修理に修理を重ねて半世紀使いつづけるご家庭もあるんだとか…

乳母車としての役目を終えたら、農作業の肥料の運搬にも活用できます。

かつて、東海地方や静岡あたりでは主流でしたが、現在は職人さんの高齢化や材料費の高騰により、いつ生産終了してもおかしくない状況。

こういった伝統的な乳母車を扱うお店も減りました。

今は絶滅危惧種のようなものですが、伝統的な乳母車がなくなってほしくないし、まだまだお客さんがいらっしゃる限りは店を開けようと思う」とおっしゃっていました。

女の子の成長を祝うひな人形

藤かご乳母車や百日祝い・御食い初め膳などを取り扱う「伊藤ウバ車店」ですが、

今はシルバーカーや杖などの介護予防に関する商品が主力商品です。

電話をもらえれば、一宮市内はもちろんその周辺も出張対応しています。

「うちの商品を必要としている本当の交通弱者は、お店まで来れません。一宮市内やその周辺も、呼ばれれば出張しています。藤かご乳母車はもちろん、シルバーカーや杖もね」と語っていました。

今、シルバーカーや杖などを取り扱っていることに関しては…

「本当に必要なのは介護予防です。長く歩いて力をつける、その当たり前がもっと日常になってほしいです。転んで骨折するまえに、シルバーカーや杖で支えを手に入れてほしい。こちらで一宮市の介護予防に関する制度をご案内することもありますが、できれば自分で頭と体の健康を保ってほしい。外出して自分の脚で歩いたり、おしゃべりしたりして、ね」

シャッターも建てられた60余年前のまま。上げ下ろしするたびに重たそうな音が…

正直あの「ウバ車」のインパクトもあって、シルバーカーを主力商品として取り扱っているとは夢にも思っていませんでした。

長く続いているお店ならではの考えで、シルバーカーを販売しているんですね。

ちなみに実家で暮らす私の祖父母は90歳目前ながらとても元気で、シルバーカーや杖の必要性が思い浮かんだことは全くありませんでした。でも、店頭に並ぶシルバーカーを見て「あったほうがいいかなあ…」と考えるきっかけとなりました。

ずっと気になっていた「伊藤ウバ車店」、のぞいてみたら伝統的なウバ車やシルバーカーを取り扱っていることに対する思いを聞けました。

立ち寄ってみたい方は、訪れる前にまずお店へお電話を。シルバーカーなどの商品についてのご相談もお気軽に。

伊藤ウバ車店

住所: 一宮市真清田1-1-16

電話番号:0586-72-6566

Twitter:@138_ito

※来店前に電話やTwitterで連絡をお願いいたします。