こんにちは!「Sketch」ブログ担当のライター、カジヤマシオリです。

2019年の11月末、株式会社アントロワの小塩綾子さんが講師をつとめる一宮まちゼミの講座に参加しました。

幼少期からバレエをやっていた小塩さんは、「好酸球性肺炎」「大腿骨頭壊死症(難病)」の経験を持つ、一宮市在住の女性です。

現在はリハビリや健康を気遣う生活の甲斐もあり、患部の痛みは減り、バレエの基本的な動きができるまでに回復しています。とはいえ患部が痛むこともあれば、 出来ない動きもまだまだある状態です。

講座の前半では、小塩さんの体験とヘルプマークを利用していることについて学び、

後半では難病のリハビリ経験を活かした体操(寝転がってできてとても簡単でした)に挑戦。

講座のくわしい様子については、前編・後編を読んでくださいね。

ヘルプマークのことや難病を学び、寝転んでまったり体操♪前編<一宮まちゼミ2019>

ヘルプマークのことや難病を学び、寝転んでまったり体操♪後編<一宮まちゼミ2019>

講座終了後にパチリ。真ん中が講師の小塩さんで、手に持っているのがヘルプマーク

講座で学んだヘルプマークとは、外からは分からないような難病や障害を抱える人が、配慮や支援をお願いしたいことをまわりにわかりやすく知らせるためのもの

こういった事情があれば、ヘルプマークは各自治体で無料で受け取れます(ひとり一枚限り)。

カードの裏には詳しくお願いしたいことを書けるようになっています。私のは超ざっくりな説明ですので、配布を行っている一宮市のサイトもご参考に。

私が小塩さんの講座に参加した理由

私のヘルプマーク

実は、私も小塩さんと同じヘルプマークユーザーです。

小塩さんは難病が理由ですが、私は発達障害(注意欠陥障害)が理由です。異なる事情でユーザーになった人の見解が気になっていました。

とはいえ同じマークのユーザーとして、講座の内容は共感できるものも多く、充実した時間を過ごせました。

とくに共感できたのは、まだまだ認知度が低いということ。私たちは本当に困っているのに「頭の変な人がつけるもの」「近寄ったらダメ」というイメージを持つ人もいるそうで…不本意です。

せっかく講座に参加したからには、学んだことをもっと知らせたい。

スペース上いっぱい書くことはできませんが、せめて講座の中で共感できた部分や知ってほしいことだけでも紹介できたら。

事情が違っても共感できた「あるある」

小塩さんは難病による身体の不自由、私は発達障害、とヘルプマークユーザーである理由はそれぞれ異なりますが

同じマークのユーザーとして私も共感できる「あるある」が、講座では話題に上がりました。

ユーザーを見かけると「はっ」とする

座れなくて大丈夫かなあ(私も座れてないけど)

外出先で同じヘルプマークユーザーを見かけると、目がいきます。

ヘルプマークがないと難病や障害を抱えているとは見えない人がユーザーの大半だからか、

どんな理由でユーザーになったんだろう」と考えがちです。

もしかしたら事情は私と一緒かな、違うのかなって。会話を交わしたり理由を聞いたりしなくてもね。

また、同じユーザーさんが電車でぶじ席に座れてないとそわそわします

座れなくて身体きつくないかなあって。見かけるのは私も座れなかったときがほとんどですが、もし私が座っていたらゆずりたいくらいです。

人の多い場所へ行く不安(例えば名古屋駅)

東京の通勤ラッシュ…

人の多い場所へ行くのは不安。とくに名古屋駅、という固有名詞が出たときにとても共感してしまいました(笑)

小塩さんのように身体の一部に痛みをともなう難病を抱えていると、素早く人を避けるのも難しいし、万一ぶつかられると激痛どころじゃない痛みが走ります。

安全のためにヘルプマークをつけ、念のため杖も持って移動しているそうです。

私の持つ注意欠陥障害は、名前のとおり注意力が欠陥している障害視野に入る情報が少なく、周囲の環境を即時に判断することが難しいのです。私も名古屋駅へは週に4日以上行っていますが、注意力が欠陥しているからかすぐに人とぶつかってしまいます

とくにみんなが集合場所に使うところの周りは怖い。通勤ラッシュは避けていても、です。これユーザーあるあるなのでは?

ヘルプマークユーザーが周りにお願いしたいこと

講座の中で、小塩さんが「ヘルプマークユーザーを見かけたらお願いしたいこと」を紹介していました。

小塩さんが紹介したことはもちろんのこと、私がお願いしたいことも含めて掲載します。

見守っていただきたい

ヘルプマークユーザーを見かけても、どうしたらいいかわからない。

そう思うなら、まずは見守ってください

ユーザーに多いのが「普段介助は必要ないけれど、難病や障害が原因で【困った】ことが起こるかもしれない」人々です。

私も普段は配慮を必要としませんが、特定の状況ではパニックになったり適切な行動がとれなかったりすることも

とりあえず見守って「困ってそうだな」という状況になれば、声をかけていただけると非常に助かります。

また、カードの裏には自分の障害や難病について書けるようになっているので、声かけとともに読んでもらえるとありがたいですね。

席をゆずっていただきたい

優先席では、マタニティマークとともに表記が

私の場合は、発達障害が原因で飲んでいる常備薬(劇薬)の副作用がひどいときは、席をゆずっていただきたい。

今年の6月頃からユーザーになりましたが、若い=元気そうだから配慮は必要なさそうと思われるからか、今までにゆずってもらえたのは2回ほどです。

マークが一般に浸透していないこともあるかと思いますが…

先ほども申し上げたとおり、ユーザーの大半は、見た目で判断しづらい難病や障害を抱えている人々。

中には若い=元気そうだから配慮は必要なさそう、と判断される人もいるかと思いますが、それは先入観です。

見た目だけではわかりづらいかもしれませんが、若い人でも人工関節や義足を使っている人はいます。

元気そうに見えたとしても席をゆずっていただけると幸いです。

私の場合は副作用が出なくて元気なこともあるため、そのときはほかの人に席をゆずろうと思います。

歩きスマホは怖い

ふだん、何気なく歩きスマホしてませんか

中にはゲームや動画に夢中になっている人もいると思います。歩きながらしなくたっていいと思うけど…

人の多い場所であればなおさら、歩きスマホをする本人もその周りも危険な目に遭う確率は上がる。

ユーザーでなくても、いきなり歩きスマホをしている人にぶつかられるのは怖いと思います。いちど立ち止まってからスマホ操作しましょう。

まずは「知る」ことから

先ほども挙げましたが、ヘルプマークの認知度は低いなあと感じているユーザーさんも多いのではないでしょうか

せっかくつけていても、認知度が低いままだと役割を果たしてくれそうにないなあと思います。講座でも認知度が低い、もっと認知度を上げたいという話が出ました。

この記事ではじめてヘルプマークを知ったのなら、まずは普段の生活で、ユーザーさんを見かけたら見守るところから始めてみてください。

ヘルプマークは愛知県内の各自治体で無料で配布されています。必要な方はぜひ活用してみてくださいね。