■動物愛と夫婦愛に包まれた一宮のオアシス

 

みなさま、こんにちは、P子です!前回に続いて、アニマルカフェ不可思議さんのお話です。

アニマルカフェ不可思議 ≪前編≫

自宅で飼育する動物たちが増えたことから、アニマルカフェを開きたいと思いつき、理想の店舗付き住宅を見つけた吉岡さん。ご主人の了承も得て、ついにお店がOPEN!さて、実際にお店をやってみて感じたこととは?

「ネコ好きな人にファンが多い」というユーラシアワシミミズクの那由多。店名「不可思議」の由来は、「大きな数字が好きだから」だそう。「那由多」「不可思議」はどちらも大きな数字を表す単位。

 

◎アニマルカフェをやってみて感じた苦労とは?

お店をはじめて約2年。苦労は感じませんか?という問いには、「お陰様でお客様も増えてきて、苦労というほどのことはありません。ただ一つ気になるのは、動物たちにかかるストレスや負担です。喜んでくださるお客様の気持ちには応えたいですが、やはり、動物を丁寧に扱ってくださるお客様ばかりではないので・・・」終始笑顔だった吉岡さんの顔が、このときだけ少し曇りました。

 

吉岡さん、まずは動物が一番大事、なのです。動物への深い深い愛がある結果がこのアニマルカフェ。人懐っこい動物たちは、お客様に大切にされれば喜びます。動物もお客様も喜んでくれるのが理想。お客様の方でも、みんなが笑顔になれるようなマナーをもって動物に接したいですね。

 

◎アニマルカフェをやってみてうれしかったことは?

逆にうれしかったことは?と尋ねると、ステキなお話を聞くことが出来ました。

「年配の方って縁起がイイってことでフクロウが好きな方って多いんです。あるとき82歳のおばあさんが、隅のフクロウを気に入って、そばでじっと見てらっしゃるので、手を取って、フクロウに触っていただいたんです。そうしたら、涙を流して喜ばれて・・・『生まれて初めてフクロウに触った』って感激して下さったの。それを見て、私も感動してしまって」

 

わかります、わかります。年をとると、いろんなことを経験し尽してしまって、「初めての経験」ってなかなかできないもの。82歳の方に「初めて」を体験させてあげられた、それってうれしいことですよね。うーん、なんて素敵なんだ、アニマルカフェ!

おばあさんが気に入ったというオオフクロウの寿限無。

 

他には、お店を出られた客さんが、店の外で「楽しかったねー」「また来ようね」と話しているのが聞こえたときが、一番うれしいそうです。

 

◎ニューフェイスはあの子の生まれ変わり?

お店の中を見渡すと、目に留まる「非売品」の文字。販売している動物との違いは?と尋ねると「お店を始める前から飼ってた子は非売にしてます」とのこと。でも、昨日入ったばかりだというコキンメフクロウも非売の札が付いています。これはどうして?

 

「この子は、以前飼ってて死んでしまった子にそっくりなんです。その子の生まれ変わりみたいなものだから、非売です」

この子がコキンメフクロウ。他のフクロウと比べると、とーーーっても小さいのです。

 

この子がやってきた経緯がまた素敵すぎます。動物を入手するのは主に展示即売会。最初から飼う種類を決めて行くこともあれば、ただその場でピピッと来るものがあって連れ帰ることも。

 

この子は見た瞬間に「あ!あの子だ!」と心の中で叫んだそうで、ご主人に「ねぇ、見た?」と話し掛けると「うん、見たよ、あのコキンメフクロウでしょ。そっくりだからすぐにわかったよ」って。

 

本当にご主人と通じ合ってるんですね。素晴らしいご夫婦♡

 

◎出来る範囲でマイペースに

これからお店をどんな風にしていきたいですか?という問いには「特に何も考えていません。自分ひとりでできる範囲でやれればいいので、人を雇う予定もないし、お店を大きくしたいとも思ってません。」という、何となく予想のついた答えが返って来ました。さらに、動物愛の人・吉岡さんらしい言葉が続きます。「自分の好きな動物だけを扱っていきたいです。世話をする訳ですから、愛情が無いとできませんのでね。流行りにも関係なく、『自分の好きな子を飼う』というスタンスは崩したくないです。」

 

今も、地域の子供たちが夏休みの自由研究で訪れたり、遠くてなかなか行けない動物園(注:名古屋市にある東山動植物園)の代わりに、地域の人たちに親しんでもらえているのがうれしいと話す吉岡さん。今後は移動動物園やディサービスなどを通じて、さらに地域の人々と触れ合えるのを楽しみにしているそうです。

 

今回の取材で感じたのは、とにかく深い「動物愛」「夫婦愛」でした。「主人の理解があって、すごくありがたくて、感謝してます。大好きなんです♡」とおっしゃる吉岡さん。いえむしろ、ご主人の「愛」をずーっと感じてます。思わずほっこりする、A嬢と筆者。

メガネフクロウのひじきとメンフクロウの黄桜。筆者たちの滞在中、ずーーーっと寄り添っていたほどの仲良し。まるでオーナーご夫妻のよう♡

意外にも、大きなひじきがメス、黄桜がオスらしいのです。と言っても、フクロウはDNA鑑定しないと、性別がはっきりしないんだそう!

 

摩訶不思議?

いや、不可思議!

 

 

(写真・文)謎のライターP子