こんにちは。「Sketch」ブログ担当のライター、カジヤマシオリです。

前回のブログより「一宮市・萩原駅からあてもなく歩いてみよう!」と散策をはじめてみたら…

へんなパンダのいる公園、「Sketch」でもお世話になった平安会館を通り過ぎ、

【萬葉公園】の標識を見つけました。

矢印の向きのまま、まずは高松分園へ行ってみることに。

池や花壇のまわりに歩くスペースがあるような公園。

冬だからか、ほかにだれもいなくてがらんとしていました。

「おもしろくなかった」とここで終わりにしてもいいけど…

もう少し見て行こうかな、って。

高松分園、歩いてみると

もう少し歩いてみると、池や花壇に小さな看板が立っていることに気が付きました。

なるほど、ここにははすの花が咲くらしい。

日本最古の和歌集「万葉集」から、はすの美しさについて詠んだ一首が載っていました。

ざっくりと説明すると「雨、降らないかな。雨が蓮の葉にたまったときの、玉のようにきらきらするのが見たいんだ」と。

意味だけを聞くと、カンカン照りの日や水不足を思い浮かべるけれど…男ばかりの宴会で、そこに蓮みたいな美しい女性が同席していてくれたら、ちょっとはいいのになという意味合いもこめられているそう。

和歌にちなんで、もう一つ見つけたものがあります。

佐藤一英」という人物の詠んだ詩の、石碑です。

戦後まもなく萩原町で行われた「はだか祭」を記念して、奉納した詩です。佐藤一英は、萩原で生まれ育った詩人。

萩原の歴史を伝える展示ですね。一宮で取材を続けていれば、彼にまつわるものにまた出会うのかな。

分園の外にあった案内板。どんな花が咲くのか、名前がぎっしり書いてありました。

もう少しあたたかくなれば…

花しょうぶやはす、すいれんが咲きほこる場所になるんだろうな。

じっくり散策できたし、分園じゃないほうの萬葉公園へも行ってみよう。

ふたたび、矢印のとおり歩いていくと…

また、矢印のついた看板。短い距離に、踏切がふたつもある。道路も田んぼも家も!って欲張ったのかな?

これもスペースの有効活用?

道中、「萬葉公園」の矢印を何枚も見かけました。1枚でじゅうぶんな気がするけど。

戸苅・築込の萬葉公園

数分歩いてたどり着いた公園は、まるで森のようでした。第一印象は、森。

人の通る道はちゃんと掃除してあったけど、他にだれもいないからか、少しさみしげな雰囲気。季節柄、花が咲いてたり、青々としていたりすることもないし。

ここにも和歌の立て看板がありました。

木々はそれぞれ種類が違うようで、その木について詠んだ和歌を万葉集から紹介しています。

これは「あふち」。読み方は「おうち」で、せんだんという木の古名です。

花は夏に、実は秋になるそうで、今はちょうどオフシーズンですね。

妻が(生前に)見たせんだんの花はもうすぐ散ろうとしてるのに、私の涙はまだ乾かないままという一首。しみじみ。まさか和歌も哀愁あふれるものだったとは。

誰もいない公園だったけど…

万葉集に触れながらお散歩できるうえ、万葉集にも出てくるような植物もあるから「萬葉公園」なのか。あえて旧字体を使っているのもニクい演出だな、と思いました。

そういえば、今年5月1日施行の新年号「令和」も、万葉集からの出典だと話題になりましたね。令和になれば、もっとにぎわうのかな…

私が萩原をあてもなく歩いて、出会ったものは…

限られたスペースに詰め込まれた公園。

東海道新幹線と名鉄尾西線が交差するエリアは、あちこちが踏切だらけ。

道中、あちこちに建っていた看板に導かれながらたどり着いた、萬葉公園。

2カ所に分けられていることも、現地で看板を見るまで分からなかった。

インターネットでのリサーチだけでは、確実に出会えなかった風景ばかりでした。

でも、人との出会いを大切にする「Sketch」ブログとしては、人との出会いが欲しかったところ。道中、人とすれ違うことはほとんどありませんでした。次こそは、一宮の人とたくさん触れ合いたいですね!!

取材から約2か月半後の萬葉公園(編集長撮影)。
桜の時期はこんなに華やかなのね…ちくしょう、来年リベンジだ!